ReLIFEのすゝめと感想(アニメ完結編・原作漫画ともに 続きを読むとネタバレあり)

最近ReLIFEのアニメをアマゾンプライムで視聴して、結果として見事にドはまりしたので、勢いで軽い紹介と感想をつらつらと書く。

 下記の"続きを読む"を開くとネタバレありの感想文、それまではネタバレを控えた紹介文。

おすすめの見どころ!

あらすじは、ウィキペディアや公式サイトを参照いただきたい。主な見どころとしては以下の二点。

  • 主人公海崎(見た目は高校生、中身はガチアラサーのフリーター)が、自身が大人であることを隠してギリギリの生活をするドキドキコメディ
  • 大神・狩生ペアをはじめとする友情・恋愛ストーリーとそれに絡む大人(海崎、夜明他)の変化

1点目はコメディ好きにはたまらない。自分は小さい頃に読んだ「おれがあいつであいつがおれで」とか「ズッコケ三人組(タイムスリップの話)」といった「バレたらやばい!」って設定の作品が大好きで、ビールやタバコといったガチガチNGアイテムの他、高校生とは思えない財力、珍しい一人暮らし、年代に合わないMDの使用等々で、海崎も見ている方もヒヤヒヤする。また、「見た目だけ若返っている」設定は面白くて、体力的に追いつけないというベタなものの他、傷の治りが遅いという地味ながらも共感できるあるあるネタも入っている。過去に高校だったときはこうだったけど、大人になってみると違うなぁ、としみじみとすることもたくさん。

2点目はこの漫画の一番のテーマ。アニメ版13話、更には完結編4話かけて、男女二人の仲が深まっていくのが微笑ましい。更にそれに巻き込まれる大人たちが、時には成長し、時にはニマニマするのも面白い。

ぜひ原作の漫画を見てほしい!!

また、アニメ本編をこれから見る人、すでに見ている人、どちらにしてもこの記事を読んでいる人には、ぜひともアニメだけではなく、原作漫画も見てほしい。アニメ化にあたってオミットされた各キャラの背景の掘り下げが描かれているし、同時にそれの合間を縫ったアニメの構成に感動する。詳しいことはネタバレになるので、下記の続きへ。

 

ーーーーーー↓↓ここから下はネタバレ!! ↓↓ーーーーーー

 

  

海崎・日代ペア(とそれからサポート課)が尊い!!!

もうね、本当に海崎・日代ペアが尊い!!!!しんどさ!!!!!リライフという設定を下敷きにしたすれ違いがすごいことになってる!!!!!その上ネタバレなしには語れないこのもどかしさ!!!ネタバレなしでReLIFEの感想書くのは無理!!!書いてる人すごい!!!!!

日代が賢い+ヒントが散らばっていることから、じわじわと海崎がリライフ被験者だという確証を積み上げていくのと、これに対して海崎は他のリライフ被験者がいるとはヒントが全く無く想像もつかない状態で、ずっと日代を高校生として見るのとが、すれ違いを強調している。相手が本物の高校生であるならば自分との思い出が消えてしまうからと関わるのを遠慮したり自分の気持にブレーキをかける他、自分と相手の年齢差に悶々とする。

最終的に日代は海崎が被験者であると確信する。それに至る思考はなかなかで、サポート課の二人が珍しく焦る。小野屋に至っては強かに「サポート課の私が被験者にそんなに干渉すると思います?」と勝負に出る。このようなサポート課の努力も虚しく、原作では海崎のツメの甘さと日代の好奇心によって、クローゼットのビールが見つかり、確信する。アニメの方では明確に確信に至らなくとも日代の中では結論が出ていたようで、完結編ラストの小野屋が泣き崩れるシーンにつながる。

小野屋が泣き崩れるシーンを見た直後の正直な感想としては、超有名な"あれ"が頭をよぎってしまい、すこしモヤっとしてしまった。しかしながら、その後他の人の感想を見てみると、あのシーンで肝となるのはそれまで日代をサポートしてきた小野屋の感情とあって、なるほど、と思った。*1また原作の方では日代が「海崎さんが被験者でありませんように」と涙目で祈りながら、自分の手に思いを記すシーンが再会のシーンで描かれていて、これがめちゃくちゃ泣ける。とういか再会のシーンで引用される過去の二人の記憶で泣く。演出がすごい。

アニメと原作の違い

アニメと原作の主な違いを、覚書も兼ねて書いてみると、

・日代の心情描写が原作に比べてアニメは少なくて、同時に過去話や成長の過程があっさり(特にリライフ1年目と、社会人になってからの話。また、ある人が「文化祭で日代が『今一度ここからやり直すチャンスをいただけませんか』と言うシーンが欲しかった」とブログに書かれていた気持ちもよく分かる)

・大神の家庭描写が少なく(兄が引きこもりであることはサラッと。両親の話もほとんどない)同時にこれを狩生に告白する話(ピアス回)が外されている

・この他2学期以降のとしたエピソードが減っている(上記の文化祭で海崎がトラウマから日代を拒絶してしまうとか、卒業旅行で夕焼け見るとか。)

どうしてもアニメの13+4話に収めるには上記を押し込むのが難しい。特に2学期以降の話は13話作成時にはストックが無かったし、モブキャラの作画も諦めざるをえなかった完結編の4話に詰め込むのは難しい。*2だからといって原作じゃないと全くだめかと言うとそうではなく、特に自分は上記のうち1点目の心情描写を少なくした状態のおかげで、13話まで日代が被験者No.001とは全然わからなかった。それくらいうまく話が調整されていた。

アニメではNo.001が誰なのか伏せられて13話でどんでん返しされる。最初に小野屋かな?と思って見てもそうではなく、狩生をバレーボールに引っ張り出す話でやっと日代の過去話(自身の転校と去年いじめられて転出してしまった子の話)が出てくるけど、これも日代が隠す以上全く気づけない。実は被験者No.001は出てこないのかとすら思って見ていた。

ちなみに、アニメ13話の花火シーンでは、日代が回想する時にこれまでのセリフが一気に流れるのと同時に、それまで明るいBGMを奏でていたピアノが急にリフレインに入っていく。これら演出がどんでん返しを強調している。原作マンガのほうではコマの進み方と時間の進み方が返し縫いのようになっているのも面白い。

漫画ではリライフ研究所内の様子もストーリーの背景を映し出していて良い。アニメではほとんど触れられなかった日代のリライフ1年目については、背景に研究所の思い描いていた筋書き(いじめられている女の子を救って、更に夜明とくっつける)があって、けどそれがうまくいかなくて、結果として失敗に終わってしまう。夜明本人がどこまで日代に気があったのか、これは漫画内では描写されないのと、夜明のポーカーフェイスからなんともわからないのだけども、会社から嫁候補を押し付けられるというシチュエーションを考えれば、相手がどうであれいい気持ちではないと思う。*3

まとめ

総じて非常に良い話で、いろんなレビューにも書いてあるとおり、主要登場人物みんな良い人で読んでいて気持ちが良い作品です。*4大人も子供も関係なく成長していく様子が印象的。いろんな人と感想の共有をしたくなる素敵な話。同時に、自分もこれからがんばらないとなぁ。。。と思ったり。*5

*1:このシーンを含めて、小野屋が感情豊かなのは非常に重要で、サポート課や読者の気持ちを各所で代弁する

*2:アニメ制作サイドも削るの辛かったのでは・・・と勝手に思ったりする

*3:相手が日代さんならいいのでは?という気持ちもあるが、海崎と出会って成長した結果の日代ではなく、リライフ開始時の日代だからなぁ・・・

*4:サポート課の課長が二人の記憶をどうにかしてほしいとお願いしに行くシーンもあったり

*5:捉え方を間違えると中年の危機になりそうなので、そこらへんはバランス良く・・・